• No : 1455
  • 公開日時 : 2019/12/25 09:55
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ヘッドホンでは高い周波数まで騒音低減しているのに、なぜ普通のアクティブ消音ではできないのですか?

アクティブ消音
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回答

消音する空間のサイズが異なるためです。アクティブ消音機能を搭載したヘッドホンは、
ヘッドホンの耳覆い(イヤーマフ)の中という極めて狭い空間内だけで騒音を低減すればよく、
このような狭い空間では、高い周波数までアクティブ消音により騒音低減できます。
 
<詳細>
 通常、騒音でお困りの空間は、工場の作業スペースや機械室、また普通の会議室や居室のように、
 比較的広い空間です。空間のサイズが大きくなるにしたがって、音は壁、床、天井に何度も反射し、
 室内は大変複雑な波面で満たされます。(複雑な音場になります)
 音波には波長というサイズがあり、低い周波数は大きく(数m以上)、
 周波数が高くなるにつれ波長は短く(数cm~数十cm)なります。
 壁や床の寸法より小さな波長の音波は、反射などにより室内を縦横無尽に進み、音の波面がすごく乱れたものになってしまいます。
 例えば浴槽に水を張り、水面を手で波立たせると、手(騒音源)から広がった波(騒音)が浴槽の壁に反射し、
 すぐにひどく乱れた水面になる状態と似ています。
 このような複雑な波面をスピーカーから作り出すことは大変困難なため、ヘッドホンと同様に消音することができないのです。